京大東南研(CSEAS)の月刊ニューズレター「かもがわ便り」3月号の挿入画を担当しました!
2024年3月のニューズレター記事は河野泰之教授(東南アジア研究、農学)による「考えても及びませんで。」。
エッセイ著者の河野教授は東南アジアが研究対象地域ですが、今回紹介されたのはアフリカに関する書籍3冊。
『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』(三浦英之、2022)
いずれの書籍も、貧富の差が激しく、衛生環境も住環境も決して良いとはいえないアフリカの地に暮らす人々と、様々な理由からその地に挑む日本人を描いたものです。3冊ともノンフィクション。それぞれの書籍はテーマが全く異なりますが、共通する土地名や歴史的事実が出てくるので、3冊それぞれ読み通すと、ごく一部ではありますが日本に居ながらにしてアフリカの文化や土地柄、歴史観をふんわり感じることができました。
3冊とも、時にふふっと笑みが溢れるようなエピソードがあるかと思うと、作り話であってくれと願うほど凄惨な出来事が記述されており、時間を忘れて文字を追うことに没頭しました。自らの知見の狭さと想像力の限界を知らしめられた気持ちになり、「自分が描くことができる、想像することができる世界がある。でも、それはまだ現実のごく一部でしかない。もっとイマジネーションを磨かなければ」というエッセイ著者の心情に強く共感しました。
<イラスト概要>
3冊の書籍に共通する、貧富の差が激しく決して住み良い住環境や衛生環境があるわけではないアフリカという地に果敢に挑む日本人とその地で逞しく生きる現地の人々の姿を、「太陽の子」の中でも記述のあったさだまさしの「風に立つライオン」になぞらえ、広大なサバンナの前に佇むライオンに見立てて描きました。
また、エッセイの文末に記述されていたように、彼らが生きる現実の外側に生きる我々の目、あるいは想像力では再現しきれない風景があるという意味を込め、サバンナの風景を完成していないパズルの形で表現しました。