京大東南研(CSEAS)の月刊ニューズレター「かもがわ便り」の挿入画を担当します!(23年5月〜24年3月)

京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS)の月刊ニューズレター「かもがわ便り」の挿入画を担当することになりました。本企画は東南研の研究者たちが最近読んだ書籍を簡単に紹介するものです。

連載は今月5月から。5月度のニューズレターは以下にてご紹介します。

連載開始の5月のニューズレター記事は町北准教授(労働経済学)による「飛石の真ん中で」。労働経済学に関する書籍紹介かと思いきや、取り上げられたのはトム・ヴァン・ドゥーレン著『フライト・ウェイズー絶滅の縁の生と喪失』(邦訳は西尾義人訳『絶滅へむかう鳥たちー絡まり合う生命と喪失の物語』青土社、2023年)。

絶滅の縁にある5種の鳥たちの生涯に焦点を当て、「絶滅する」ということは何を意味するのか、生物学や人文学の視点から学際的に論じています。労働経済学とは一見無縁のこの書籍を町北准教授はどうして取り上げたか、ぜひニューズレターを読んでみてください。

飛び石の真ん中で – CSEAS Newsletter

町北 朋洋(労働経済学) <br> 海の近い千葉の幕張から京都に移って、この4年近く、毎朝鴨川沿いを歩いて通勤しています。私の前の勤め先のアジア経済研究所は海の…

◆挿入画解説◆

枝分かれした道の前で佇む鳥たち。目の前に伸びる道のうち、2つはすでに道が断たれており、1つは人間が破壊している最中、1つは人間が修復しようとしている最中、残り1つは先の見えない道になっています。現状鳥たちを絶滅へと追い込んでいる原因が人間にもあり、また絶滅から救おうとしているのも人間であるという事実を表現しています。

画面左後ろの家では、鳥たちの歩く道と自分たちの住む家(環境)が繋がっていることに気がつかないまま、鳥たちの状況を知ってか知らずか楽しげに食事をする人間と、自分勝手にゴミを捨てる人間を描いています。いずれも「絶滅(種)」に対する世間の反応・感度を暗に示しています。